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 さて。
 後半の《青ひげ公の城》の演出も、《消えた男の日記》と同じく、演劇集団ラ・フラ・デルス・バウスのものです。
 こちらは映像の妙技という側面ではたいへん興味深くまさに「アイディアの勝利」といったところ。

 が、演劇という“現象”そのものに愛着を持っている方ならともかく、歌手の個性にのみ興味を持つタイプのオペラファンの私にとっては、そもそものコンセプトからして方向性のズレた演出。

「ショー」としては最高に満足したけれども、あれは「オペラ」ではなかったな、というのが本音です。

 趣向としてはこの上なく面白いのですよ。

 本当に、どうやっているのかわからないんですが、大掛かりな装置を使うわけではなく、ほぼ空っぽの舞台空間いっぱいに豪華な建物の内部や歌手のアップの映像を次々と映し出していくのです。舞台空間そのものをスクリーンにしたり、透けたスクリーンを幾重にも垂らしてその隙間に歌手を立たせたり、様々な仕掛けを繰り出しますので、全く飽きることはありません。

 映像は単なる背景ではなく、むしろ主役。今の今まで生身の歌手を眺めていると思ったら、いつのまにか映像にすり替わっている。映画などではアニメーションと実写映像をうまく合成した作品がありますが、この《青ひげ》の舞台効果(演出とは呼びたくない)は二次元と三次元を見事に融合させた画期的なものでした。

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パリ国立オペラ来日公演 サー・ウィラード・ホワイト目当てで高額チケットをゲトしたのですが(それでも3階B席)、先日の椿姫に続いてあやうく行けなくなるところでした。半休をとるつもりでいたのですが、毎日が“火サス”な我が職場。

 当然、着物どころではありませんで、上司を騙くらかして、お化粧もそこそこに会社を飛び出し、渋谷のオーチャードホールに滑り込み。携帯電話も忘れたので、座席からの写真はナシです。

 私の行った7/29(火)は驚くほど空席が目立ちました。3階席の真ん中なんてガラガラ。

 トリスタンのほうが(日曜日もあったとはいえ)そこそこ席が埋まっていたのだとしたら、この閑古鳥状態は演目のマイナーさが主たる原因と言えるでしょう。なにしろ、ヤナーチェクとバルトークです。

 青ひげのほうは、それでも一応メインですし、まだとっつきやすいですかね。私もチケットを買った当初は青ひげに興味津々でして、ヤナーチェクのほうは「まぁ、オモシロそうだし、いいか」という程度でした。当然ながら予習なんてしていません。

 ところが、実際の公演を体験し終わった今となっては、この《消えた男の日記》のほうが、強く印象に残っているのです。たった30分強の演目ながら、背筋がすっと冷たくなるような衝撃と胸がしめつけられるほどの感動を覚えました。

 まずはこちらの感想をまとめておこうと思います。


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小澤征爾音楽塾こうもり かなり時間が経ってしまいましたが、感想です。小澤征爾音楽塾《こうもり》。

 今回のお目当ては、なんと言ってもアンドレア・ロスト!! ええと、こちらの記事で、兄さんのクネクネドンジョを取り上げたことがありましたが、その時のツェルリーナ役の彼女なんですよネ(←全てはアレンにこじつけられます)。

 おお、このカワユイお手てに兄さんのキモい下唇が……(*´Д`)と、あらぬ妄想をかきたてに行った……わけではありませんよ? 念の為。

 そしてもうお一方、マッテイに続く“天然疑惑”のボー・スコウフスを観られるのも楽しみの一つでした。こちらは、ハイテンションな《ビリー・バッド》のほかには悪名高い(?)アーノンクールの《フィガロの結婚》@ザルツブルクでしかお目にかかったことがないのですが、なんか気になっていたのです。

 もちろん小澤征爾の指揮も嬉しい。そういや、生で聴くのは初めてです。この人のオペラは大変ドライブ感に満ちているので、台詞でぶった切られるオペレッタでそれがどう表れるのかは未知でしたが、きっと楽しめるであろうと期待大です。

 
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 7/8(火)は、Royal Opera Houseの《フィガロの結婚》。

 ヒンシュクを承知で本音を言うと、さすがに少し飽きたかな……。

 だって、3回目の渡英にして、実に7回目のROH通い。うち1回を除いて、実演鑑賞した3演目はすべてモーツァルト作品なんだもの。私、ドンジョ以外は、それほどモーツァルトに入れ込んではおりません。もちろん好きな作曲家ではありますけれども。

 しかも《フィガロの結婚》でしょー。たぶん、これまでの人生で最も回数多く聴いているオペラ。

 マクヴィカーの演出はまぁまぁ面白かったので、当日はけっこう楽しみましたが、できればこの先10年くらいは距離を置いて、細部を忘れた頃に最高の歌手陣で「うおぉぉぉ〜!!!」と唸らせていただきたいなぁ。というのが、今の率直な感想です。

(などと言いつつ、ラテさんに差し上げるために、レイミーフィガロのCD、部分的にまた聴き直しちゃったんですよね。オペラファンをやってる限り、フィガロのケコーンからは逃れられない運命なのかも)

 今回はアルマヴィーヴァ伯爵がペーター・マッテイだし、フィガロ役のイルデブランド・ダルカンジェロにも興味があったし、演技はイマイチでも声はステキなロバート・ロイドおじさんがバルトロだし、マルチェッリーナは大好きなメゾのアン・マレイだし、顔ぶれには全く文句がありませんでした。

 指揮はデイヴィッド・サイラス。マッケラスでなかったのが残念といえば残念でしたが、テンポは良かったし演奏面でもストレスフリー。

 なので、「ヨッシャ、どんな歌唱(演奏)をするか、いっちょう聴いてやろーじゃないの」みたいな気合いがほとんど入らず、ワクワクドキドキ感も全然無く、でもそのお陰ですんなりと舞台で行われていることを受けとめられて、大声で笑ったりなんかして。強烈な印象が残ったというわけではないんですが、まぁこういう楽しみ方もアリなのかなと思いました。


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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽


Louise 7/5(土)は、バスティーユ・オペラ座で《ルイーズ》を鑑賞。作曲はギュスターブ・シャルパンティエ

 エルネスト・ブランクのファンでなければ、このオペラとの出会いはなかったかもしれません。フェリシティ・ロットがヒロインを、ブランクがヒロインのパパ役を歌ったライブ盤を見つけ、何の予備知識もなく聴いたのですが、これがなかなかの名演。

 作品自体はさほど華があるわけでもないのですが、旧世代の束縛を振り払って自由恋愛に走るヒロインの姿に強い感銘を受け、いつか生の舞台を観てみたいと思っていたのでした。

 その願いがこんなに早く、しかも本場パリで叶うなんて。まったく最高のタイミングで、アレンのリサイタルがあったものです(←全てはアレンの手柄になります)。

 《ルイーズ》はパリの労働者階級の日常を描いた作品ということで、フランスのベリズモ・オペラと言われています。

ルイーズ3 ヒロインのルイーズは、箱入り娘のお針子(←パリといったら、お針子。コレ基本)。詩人でボヘミアン(←まるでラ・ボエームの世界ですね)のジュリアンと恋に落ちますが、両親の猛反対に合っています。

 一時は恋を諦めかけるものの、20世紀への幕開けとともに自由な気運の満ちるパリの街に呼び覚まされ、ついに両親を捨てて恋人の元に走ります。

 ちょっと場末っぽさの感じられる界隈にあるバスティーユ・オペラ座は、いかにもオペラハウスといったクラシックな豪華さには欠けますが、この《ルイーズ》の雰囲気には合っていたと思います。スタイリッシュな舞台美術も、近代的な建物だからこそ映えますし。

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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽



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