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《ルイーズ》@パリ・バスティーユ 7/5(土)

2008年07月12日
Louise 7/5(土)は、バスティーユ・オペラ座で《ルイーズ》を鑑賞。作曲はギュスターブ・シャルパンティエ

 エルネスト・ブランクのファンでなければ、このオペラとの出会いはなかったかもしれません。フェリシティ・ロットがヒロインを、ブランクがヒロインのパパ役を歌ったライブ盤を見つけ、何の予備知識もなく聴いたのですが、これがなかなかの名演。

 作品自体はさほど華があるわけでもないのですが、旧世代の束縛を振り払って自由恋愛に走るヒロインの姿に強い感銘を受け、いつか生の舞台を観てみたいと思っていたのでした。

 その願いがこんなに早く、しかも本場パリで叶うなんて。まったく最高のタイミングで、アレンのリサイタルがあったものです(←全てはアレンの手柄になります)。

 《ルイーズ》はパリの労働者階級の日常を描いた作品ということで、フランスのベリズモ・オペラと言われています。

ルイーズ3 ヒロインのルイーズは、箱入り娘のお針子(←パリといったら、お針子。コレ基本)。詩人でボヘミアン(←まるでラ・ボエームの世界ですね)のジュリアンと恋に落ちますが、両親の猛反対に合っています。

 一時は恋を諦めかけるものの、20世紀への幕開けとともに自由な気運の満ちるパリの街に呼び覚まされ、ついに両親を捨てて恋人の元に走ります。

 ちょっと場末っぽさの感じられる界隈にあるバスティーユ・オペラ座は、いかにもオペラハウスといったクラシックな豪華さには欠けますが、この《ルイーズ》の雰囲気には合っていたと思います。スタイリッシュな舞台美術も、近代的な建物だからこそ映えますし。


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 初めての歌劇場だし、二度と来られないかもしれないことも考えて、チケットはちょっとフンパツしちゃいました。おおよそ、ピンクのしるしを付けたあたり。(それでもROHより安かったんですけど)
 お陰で、舞台の眺めは最高。

バスティーユの座席


20080712021035.jpg ただし、内装がモノトーンなので、恒例の「座席からの舞台の眺め」が、真っ黒でうまく映りません。

 ←の写真は幕間に少し後方から撮ったものですが、やっぱり映りが悪いです。私の写真の腕が悪いだけかもしれませんが……。

 客席からの見え方を写真に撮るのが一つの楽しみでもあるので、これだけがちょっぴり心残り。

 さて、実演の感想ですが、これだけ近い席に座っていたのに、オケの音の迫力がイマイチ感じられなかったような気がします。なんとも不思議な感じ。

 つまり、近くで演奏している場合、当然、音のバランスは悪いのが“自然”なんです。近くの楽器が大きく響き、離れた楽器は遠くから。私はそういう「分離した」聴こえ方が好みなので、臨場感を求めて前列の隅っこに座ったりすることがよくあります。

 ところが、バスティーユの場合、まるで遠い座席で聴いているかのように、全ての音がバランスよく響いてきました。目の前で演奏しているのに、前方からではなく、四方から音がふわ~っと伝わってくる感覚、と言ったらいいのかな。

 生演奏なのに、CDを聴いているかのように、全てのパートのバランスがいい。良すぎなんです。

 なるほど、さすがは現代建築。「音響」と聞くと、まずは「エコーの長さ」なんかが頭に浮かんだりするものですが、こういうのも音響技術の範疇なんだなぁと思ったり。私はあんまり、人工的にコントロールされた音は好きじゃないんですけどね。
 バスティーユの場合、無駄なエコーがかからないので、その点では好ましいと思いますが。

 それに加えて、指揮は全体的にのっぺりした印象が拭えず。ダラダラ感があり、演奏面では大きな感動はありませんでした。

ルイーズ1 ――にもかかわらず、スタイリッシュな舞台美術と歌手のパフォーマンスが良かったおかげで、けっこう惹き込まれることができたんです。演出そのものは平凡だったと思いますが。

 《ルイーズ》の初演は1900年なので、元々の時代設定もその頃でしょうが、今回の演出では1940年代あたりを想定してると思われます。まさに映画:「ウェストサイドストーリー」のイメージです。

 1幕1場、ルイーズとジュリアンが恋を語り合うシーンは、日本にも普通にありそうな、集合住宅の階段です。レトロで、シンプルというより殺風景。そして、照明がとても美しい。

 建物のあたりはどんより薄暗いんですけれども、奥の、窓の並ぶ壁面をかっと照らす光は、写真で見るよりももっと温かみがあり、初夏の陽光のように若々しいパワーにあふれていました。

 ルイーズはまだ、こちらの薄暗い世界の住人だけど、一歩外に踏み出せば、自由な可能性が開けている。

 “Paris ! Paris m'appelle ! (Paris ! Paris is calling !)”

 終幕のクライマックスでルイーズが歌う、このストーリーのテーマが既に、オープニングの美術によって語られているかのようです。

ルイーズ2 面白かったのは2幕。

 ト書きには「モンマルトルの丘の麓の大通り。早朝」とあるのですが、これを「地下鉄モンマルトル駅のプラットホーム」に設定しているんです。実際に地下鉄が通り過ぎるのでは?と錯覚するほど、リアルな雰囲気が出ていました。

 やがて舞台が暗転し、シーンはモンマルトル駅の入り口に移動。朝焼けの美しい照明が放たれたとたん、客席がどよっとざわめき、あちこちからクスっと笑い声が漏れます。

モンマルトル駅 駅のセットが実物にそっくりだったからなんですね。そうと知っていれば、私もパリ滞在中にモンマルトルまで足を伸ばしてみたんですが……。

 こちらは、モンマルトルのアベス駅。エクトール・ギマールによるデザインです。

 他にも私の知らないところで、随所に庶民的なパリらしさが仕込まれていたにちがいありません。

 芸術の都。自由の街。
 ルイーズを目覚めさせたのはパリという都市そのものの生命力であるわけですが、私たち外国人がパリに憧れを抱く以上に、パリの人々はパリを愛し誇りに思っているのだなぁと、つくづく感心させられたのでありました。

 さて、歌手ですが。主役の2人はダブルキャストで、私が観た日はルイーズがミレイユ・ドランシュ、ジュリアンがグレゴリー・クンデ

 ドランシュは、ハーディング指揮の《ねじの回転》DVDの頃よりはちょっとふくよかになった印象ですが、娘らしい初々しさと小悪魔的な妖艶さがほどよくミックスされた魅力的な声で、ルイーズにはぴったりだったと思います。演技もよかったし。

 お初に聴いたフェリシティ・ロットのルイーズがあまりに良かったので、どうしても比較してしまいますけれども。ロットのルイーズが、両親の束縛を逃れ自由を喜ぶ気持ちを前面に押し出した、可憐な歌唱を披露したのに比べ、ドランシュのほうは両親への怒りと苛立ちを露にしており、それがとても新鮮でした。

 そして、クンデのジュリアンは……





 鏡餅のようなメタボ





 ジュリアンの衣装って、こんなふうに、
 ジュリアンの衣装
 上着をはだけて、中の白いシャツを見せてるんですけど。
 (注:↑はクンデではありません)



 この白シャツに覆われた腹が、



 まさにこんな具合に……
 メタボ







 あ、ご尊顔はコレね。
 G.K.






 こ、これは反則です。オモシロすぎ。実力ありすぎじゃないですか(*゚Д゚)

 

 しかも、歌唱はすっごくよかったんですよね。ベルカント系らしいのですが、厚みと弾力性に富んだ魅力的な声でした。フランスものなども得意なようで、ふと連想したのがニコライ・ゲッダ。まぁゲッダよりもダンゼン男性的な声だけど。

 あ、オフィシャルサイトはコチラね。(←なにげに気に入っている)
 今年11月に来日もするみたいです。チェックしとこーかなぁ……。
 

 あと、パパ役のAlain Vernhesも忘れてはいけません。

 ブランクのようなセクシー歌唱ではありませんでしたが、そもそもパパ役に色気を求めてはいけませんしね。でも、ブランクと同じように、音域の広く、懐の深い響きをもった、パパ役にしとくのはもったいないタイプのバリトンです。
 プログラムで確認しましたところ、スカルピアが得意なようです。ナットク。

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《ルイーズ》関連記事リンク
ブランクとゴールの『ルイーズ』 ※CDの感想


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