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《フィガロの結婚》@Royal Opera House 7/8(火)

2008年07月27日
 7/8(火)は、Royal Opera Houseの《フィガロの結婚》。

 ヒンシュクを承知で本音を言うと、さすがに少し飽きたかな……。

 だって、3回目の渡英にして、実に7回目のROH通い。うち1回を除いて、実演鑑賞した3演目はすべてモーツァルト作品なんだもの。私、ドンジョ以外は、それほどモーツァルトに入れ込んではおりません。もちろん好きな作曲家ではありますけれども。

 しかも《フィガロの結婚》でしょー。たぶん、これまでの人生で最も回数多く聴いているオペラ。

 マクヴィカーの演出はまぁまぁ面白かったので、当日はけっこう楽しみましたが、できればこの先10年くらいは距離を置いて、細部を忘れた頃に最高の歌手陣で「うおぉぉぉ~!!!」と唸らせていただきたいなぁ。というのが、今の率直な感想です。

(などと言いつつ、ラテさんに差し上げるために、レイミーフィガロのCD、部分的にまた聴き直しちゃったんですよね。オペラファンをやってる限り、フィガロのケコーンからは逃れられない運命なのかも)

 今回はアルマヴィーヴァ伯爵がペーター・マッテイだし、フィガロ役のイルデブランド・ダルカンジェロにも興味があったし、演技はイマイチでも声はステキなロバート・ロイドおじさんがバルトロだし、マルチェッリーナは大好きなメゾのアン・マレイだし、顔ぶれには全く文句がありませんでした。

 指揮はデイヴィッド・サイラス。マッケラスでなかったのが残念といえば残念でしたが、テンポは良かったし演奏面でもストレスフリー。

 なので、「ヨッシャ、どんな歌唱(演奏)をするか、いっちょう聴いてやろーじゃないの」みたいな気合いがほとんど入らず、ワクワクドキドキ感も全然無く、でもそのお陰ですんなりと舞台で行われていることを受けとめられて、大声で笑ったりなんかして。強烈な印象が残ったというわけではないんですが、まぁこういう楽しみ方もアリなのかなと思いました。



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 座席は、ストールズ・サークルの真正面よりもほんの少し左寄り。前から4列目で、すぐ後ろには立見席があります。

 舞台の眺めはバツグン。お値段はそれなりですが、オーケストラ・ストールズの最高額席よりは1~2ランク安いし、双眼鏡を使えば歌手の表情は正面からバッチリ見えますので、けっこうお薦め。

 そりゃ、歌手の下唇や唾液の飛び具合を観察をしたいという場合は、最前列に勝る席はございませんが、近すぎて舞台全体の様子は全然わかりませんからネ。

 特にマクヴィカーやミラーのように、舞台のあちこちで人物に細かい動きを付けたり、象徴的な小道具を多用するタイプの演出家の仕事でしたら、座席選びも慎重に行いたいものです。席によっては大事なシーンが全く見えない!!ということにもなりかねません。

フィガロの舞台 さて、そのマクヴィカーの演出ですが、セットがちょこちょこ動いたり、大勢の召使いたちがなかなかリアルな動きをしていたりしてたのは覚えているんですが、細かい部分までは集中して観ていませんでした。気合いが足りてなかったんですねぇ。

 マクヴィカーのことですから、何でもない部分にも面白い隠し味を仕掛けていたんでしょうけど。

 ただ、とにかく、役柄の一人ひとりに“それらしい”動きを付けていて、ちゃんとコメディーとして笑える作品に仕上げていたのはさすがでした。
 そういや私、今回の《フィガロ》はオペラではなく、演劇として観ていたと思います。

 フィガロがスザンナの身体がちゃんとベッドに収まるかどうか測ったり。伯爵がシーツをめくったとたん、ケルビーノが出てきてあっとびっくり!!ってなベタなシーンも、もう見飽きているにもかかわらず、それなりに「プッ」と思わせる。間の取りかたやリアクションがちょっと現代的だからでしょうか。
 難しいと思うんですよねー、誰もがオチを知っている定番中の定番の演目なんですから。

 一つ、「ヤラレタ」と思ったのは、2幕でケルビーノが女装をするシーンですね。スザンナが歌いながら着替えをさせるところ。

 私が今まで観た演出では、大抵、それなりに可愛くなるんです、ケルビーノ。動作は男の子のままなんだけど、見た目は女の子っぽくなるのね。

 ですが、今回の舞台では、衝立の後ろから「ジャーン!!!」と出てきたケルビーノ、全っ然かわいくないんですわ。見た目からして「ダメじゃん!!」

 なのにスザンナが「まぁ、なんて可愛いんでしょう」なんて歌うわけで、そのチグハグさがとにかく可笑しい。
 明らかに女装がバレバレなのに、「上手くいくわ」と喜んでいる伯爵夫人とスザンナ。悦に入っているケルビーノ。
「も、もしかして、伯爵って、こんなんで騙されちゃうくらいマヌケなの!?(*゚Д゚)」 と疑いたくなるわけで、この演目のコメディ度がますます釣り上がったと思います。

 なにしろ《フィガロの結婚》の副題は「ばかばかしい一日」ですものね。

 さて。その「ばかばかしい」騒動の自業自得的な被害者であるアルマヴィーヴァ伯爵、ペーター・マッテイ。

 私、ものすご~~~~く期待していたんですけど、ちょっとアレレレ?って感じでした。いや、歌唱が、なんですが。

 演技は上手いんですけどね。普通に面白かったんですけど、歌唱がなんだか大人しかったです。音だけで聴いていたら、あんまり笑えなかったかな。

 特に、3幕のアリア、Vedro mentrio sospiro ですか。もっとキレて歌ってくれるかと思っていたんですが、キレるんではなくて、腹の底からふつふつと怒りを煮えたぎらせているような歌唱でした。

 そういう役作りもアリとは思うのですが、2幕までの演技はかなりのキレっぷりでしたから(扉を壊すための斧を、夫人に振りかざしちゃうくらいだもん)、私的にはちょっと違和感。

 ただ、このアリアの途中から、フィガロたちが訴訟のために部屋にどんどん入って来ますから、伯爵の独白は心中でこっそり行われていることになります。誰にも悟られないように悔しさと企みを包み隠しているのだと考えれば、キレない歌唱もなんとなく納得がいきますけど、ね。
(ラストのトリルは“無かったかのよーに”歌う派? あんまりよく聴こえなかった;;;)

 あと、昨年の東京での《ドン・ジョヴァンニ》でも感じたんですが、やっぱりこの人、ほんの少しですけど、メゾ・フォルテ未満になると失速します。軽く流しているっていうか、勢いが無くなるっていうか。小さい声量で歌うの、不得意なんでしょうか。デッカイ声なら素敵なんだけどー。

 まぁ、東京の時よりは、そんなふうに聴こえる部分は極めて少なかったです。ほんの数回、「ん?」と思った程度ですから、単に私の好みの問題なのかもしれません。

 スザンナのアレクサンドラ・クルザクと伯爵夫人のバーバラ・フリットリは、ともに初めて聴く歌手でした。

 フリットリは立ち居振る舞いがちょっと庶民臭く感じましたが、考えてみればロジーナはもともと貴族の女性ではありませんでしたね。というわけでOKよ♪

 二人ともとってもよかったです。

 特にフリットリの低音がきれいで、私好み。
「手紙の二重唱」は、常でしたら格好の居眠りポイントになるのですが、けっこう聴き惚れてしまいましたから。

 遠目に見ると、まだまだ初々しくて若い伯爵夫人なのに、マッテイ伯爵ってばすっかり飽きて、小間使いに手を出そうとしてるんですから。罰当たりな殿様です。

 でも男前だし、そのクセ挙動はやっぱり変に怪しい。ラスト、伯爵夫人の前に跪く動作が本当におマヌケで面白かったので、これからも応援することにしましょう。

 大顔ではないけど、身体はホントにでかいしね。バリトンだしね。ヴィブラートの揺れもけっこう大きいほうだしね。

 
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エルネスト・ブランクの弱点 -- 《フィガロの結婚》聴き比べ(ゲスト:F=D) ※伯爵のアリアのキレ方の検証記事
兄さんは“期待”を裏切らない@YouTube編 ※アレンによる伯爵アリアに注目
実写パタリロ!? イングヴアル・ヴィクセル@「フィガロの結婚」 ※ブログ初期のネタ記事。'66年ザルツブルク音楽祭DVDの感想と思われます。

 あらためて並べてみると、《フィガロ》では伯爵以外に興味を持っていないことがバレバレ。しかもネタばかり。
 今回の記事が初めてのマジメなレポかもしれません。
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